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EU出入国システム(EES)、段階的導入の成功を受け2026年4月10日に全面施行へ

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【ブリュッセル、2026年3月17日】欧州連合(EU)の生体認証による国境管理の取り組みである「出入国システム(EES)」は、2026年4月10日にシェンゲン協定加盟29カ国で全面展開される予定だ。これにより、EU域外からの渡航者に対する従来のパスポートへの手動スタンプは廃止され、自動化されたデジタル登録へと移行する。identityweek.netwww.fragomen.comwww.connexionfrance.com 2025年10月12日から段階的に導入が開始された同システムは、最初の数ヶ月ですでに約1,700万人の渡航者と3,000万件の国境通過を記録しており、90日/180日ルールの超過滞在を4,000件以上特定したほか、身分詐称の検知にも貢献している。www.europarl.europa.eu 欧州委員会の当局者は、中央ITシステムは「完全に安定」しており、導入期間中に大きなトラブルは発生していないと報告した。

EESでは、初回訪問時に国境で指紋採取と顔スキャンが求められ、EUの中央データベースが構築される。これにより、規則遵守の追跡、不法移民対策、そして適法なリピーター渡航者の将来的な手続きの簡素化が図られる。www.smartraveller.gov.au 2026年3月10日時点で、対象となるEU域外の乗客の50%が登録を済ませており(開始当初は10%)、来月には100%の登録が義務付けられる。しかし、一部の加盟国では機器の不具合や混雑時の行列といった課題に直面している。 ハイシーズンの到来に伴う遅延を緩和するため、ポルトガルは旅行の72時間前までに事前登録が可能なEUアプリを導入した。www.euronews.com

当局は全面運用開始の初期段階において、主要空港での混乱を予想しているが、EUの規則に基づいたデータ保護を強調しており、生体認証データは国境管理の目的にのみ保持されるとしている。 このシステムは、2026年後半に延期されたETIAS(欧州旅行情報認証制度)を補完するものであり、渡航者に対してパスポートの有効期限の確認と、待ち時間の増加への備えを促している。 eu-LISAの事務局長ティルマン・ケバー氏は、今回の導入を「成功」と称え、EESをシェンゲン圏のセキュリティ強化の礎と位置づけた。

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